グリーストラップ清掃

グリーストラップとは

グリストラップは、業務用厨房・調理場から出る排水の中に含まれている油脂分および

残飯が排水管内に流入して配管を詰まらせないように防止する阻集器のことです。

レストランやホテル、食堂、給食センターなどのすべての業務用厨房から排出される汚水は直接公共の下水に排出するのではなく、

浄化槽の祖集器で浄化してから排出することが義務付けられています。

この阻集器のことを廃食油(グリース)をせき止める(トラップ)ことから『グリーストラップ』と呼ばれています。

排水中の油脂分を水分と分離させる方法は、その比重差による自然浮上の原理を応用しています。

グリーストラップ内にスライド版・仕切版を設け、流入してくる排水の速度を低下させ流れを乱さないように、油脂分と水分を分離する仕組みです。

また、残飯はグリーストラップ内に設置されているバスケット内に集まるようになっています。

すべての営業用調理施設には、グリーストラップの設置が義務付けとなりました。

構造

グリーストラップの清掃手順

清掃1

① 捕集気の掃除・・・・・・・・・・・・毎日1回以上

② 浮上したゴミ・油脂分の清掃・・・・・毎日1回以上

③ 底に溜まったゴミ・油脂分の清掃・・・週1回以上

④ 防臭トラップ内部の清掃・・・・・・・2~3ヶ月に1回以上

※①~④を目安に実施してください。

清掃した油脂分などは、廃棄物として正しく処理しましょう。

管理を怠ると‥

下水管や水路が詰まると、お店の水周りが使えなくなるだけではなく、近隣の皆さんも排水できなくなります。
また、水路や浄化槽から悪臭が発生することもあります。
住みやすい環境づくりのためにも、適正な管理にご協力ください。

清掃2

東京都 グリーストラップ清掃マニュアル

グリーストラップの問題点

グリーストラップ管理方法

① 週に1~2度油及び残飯を回収し、事業ゴミ(生ゴミ)として産業廃棄処分している。

② 回収業者に依頼契約し、月に1度清掃・回収する。又、年間2回程度排水管の洗浄と合わせて管理契約を結んでいる。

③ 微生物(油脂分解特殊菌)をグリーストラップ内に『袋封入』『固定粒状』として設置する。

④ 酵素を液上にして定量ポンプに点滴する方式。エアーポンプにて散気して油分解している。

定期的な清掃までの間に、グリーストラップの機能が低下

悪臭・不衛生・雑菌・害虫の発生

※油脂が流出し配管詰りを起こす等いい状態を維持していない
※臭気、油分低減ともに満足されていない

微生物・酵素・薬剤投入等、多種多様な改善装置が発売されているが、
ランニングコスト・使用洗剤の限定・気温による影響・未処理のままのエアレーションによる攪拌により
配管の詰り、臭い等
が懸念され、下水・合併浄化槽・河川放流に大きな負荷を与え、トラブルの一因となっている

設置上の注意点

① できるだけ油脂分の発生源に近いところに設置すること。(管詰りを防止するため)

② 設置後の維持管理のため、上部には荷物を極力積まないようにし、蓋はボルトなどで固定しないこと。

 (安全性の確保が必要な場合は、必要に応じて固定すること。)

前段部に生ゴミ除去用の網かごを設けること。

④ 厨房排水には油脂分、生ゴミが多量に含まれるので、処理効率を考え、十分な容量の設備を選定すること※。

  容量が小さいと、十分な除去効率が得られない場合があります。

構造は3槽式以上とし、安定した除去効果を得るには4槽式が好ましい。

  各槽に極端な落差を設けると、分離した油脂分が再度排水と混ざるので注意すること。

⑥ ばっ気式による生物処理については、さらに十分な容量の確保をすること。営業中、小規模な設備で行うと油面が揺れ、油脂分の流出につながります。

グリーストラップ設置に関する法律

水質汚濁防止法

1971年以降 排出基準が規定

水質汚濁防止法に基づき油脂等を含む排水のために、配管設備の機能を著しく妨げ損傷する恐れがある場合、特定の事業所の業務用厨房には、有効な位置に阻集器(グリーストラップ)を設置するよう義務付けられています。

(昭和50年 建設省告示第1597号 排水トラップ・阻集器設備基準)

下水道法

1976年以降 設置義務が発生

昭和51年度(1976年)以降、建設省は飲食店、学校給食、病院、社員食堂、老人ホーム等の施設に対してグリーストラップの設置を義務付けしました。

(下水道法第12条) (休排水設備基準 HASS-206-1976)